盤内を陽圧にしているのに!!

制御盤を陽圧にしているのに

電子機器の腐食トラブルでお困りのお客様で、盤内を陽圧にしているのに電気トラブルが収まらないというお話をいただきました。(弊社の製品 コルラインを使用のお客様ではありません)現場を見せていただく前に思いつく内容を書いてみます。

陽圧にするための空気に腐食性ガスが混じっていませんか?

陽圧化する場合、どこかから空気を入れます。「その空気は本当に硫化水素が混じっていませんか?」

送り込んでいる空気の硫化水素濃度を測定してみてください。

発生源から離れた場所からダクトで送っています

→その場所の環境測定しましたか?
硫化水素が発生する設備 施設があり、盤が腐食するということは、多かれ少なかれ漏れています。
空気の取り込み口の場所が本当にきれいでしょうか?
電子機器の腐食は極低濃度 臭いがしない程度でも 発生します。

浄化装置を通して送っています

→1回通すだけで、電子部品に対応できる程度まで硫化水素を除去する装置ですか?
1回通すだけで腐食がない極低濃度に下げるには大きい容量のフィルターが必要です。
(他社製品は詳しくわかりませんが)
電子機器の腐食対策商品の多くは循環させることを前提です。
商品の説明を一度見返してみてください。
→低濃度まで下げられる除去装置ですか?
1回通すだけだったとしても「10ppmを1ppmへ下げます」というような標記ではありませんか?濃度が低くなれば低くなるほど除去率は落ちます。単純に90%除去できるフィルターではありません。仕様について、メーカーに問い合わせてみてください。

陽圧になっていない

周辺の硫化水素濃度が高濃度の場合、密閉しても腐食性ガスがどこかから入ってきてしまい、盤内の機器を腐食させてしまいます。
そこで、陽圧化することをお勧めしますが、「密閉作業を十分にしていない」「陽圧にするファンの容量が足りていない」などの場合陽圧になりません。
盤の内外の差圧を測定してみてください。

腐食性ガスの種類と対策は合っていますか?

浄化装置を通して、陽圧にしている場合 浄化装置が何か特定のガスに特化したものではありませんか?また、原因のガスの調査は行われていますか?
私たちのコルラインの場合は「硫化水素」に特化した除去フィルターですが、腐食性ガスには「塩素ガス」や「二酸化硫黄」、「アンモニア」「オゾン」「窒素酸化物」などいろいろあります。「硫化水素」に特化したフィルターで「塩素ガス」による腐食の対策はできません。
同じように化学反応を使って除去する場合は原因ガスと除去原理を確認する必要があります。

盤の体積、写真、陽圧ファンの容量、陽圧化の構成、周辺環境、硫化水素濃度 などの情報をいただければ、
なにかしらの手助けができるかもしれません。
一度問い合わせをしてみてください。