硫化水素の発生源

硫化水素の発生する場所

硫化水素がどこで発生する可能性があるのか?について書きます。
結論からいうと「どこでも発生する可能性がある」になります。
硫酸塩が硫酸還元菌により還元されるとき、有機硫黄化合物が細菌などにより分解するとき、に硫化水素は発生します。
有機硫黄化合物は食品などにも含まれているので、それらが分解するときに硫化水素は発生します。例えば皆さんの食卓に上がるハムにカビが生えている状態でもごく少量ですが、硫化水素は発生します。

温泉地

比較的身近な場所で温泉地があげられます。すべての温泉というわけではないですが、硫黄泉に分類される温泉では温泉のお湯に硫化水素が含まれています。人為的に発生させているのではなく、自然にお湯から発生します。硫化水素を適切に処理できていないと、事故につながる危険もあります。

最終処分場(埋立地)

最終処分場も硫化水素発生が多い場所の一つです。硫化水素はどこでも発生する可能性があると言いましたが、「硫酸還元菌」は「嫌気性」(空気が嫌い)なため、空気が少ない場所で活発に活動します。地中は菌が増殖するのに良い条件と言えます。特に硫黄を含むもの(代表的なものでは石膏ボード)があると大量の硫化水素が発生する可能性があります。

工場

製紙工場、化学工場などで、硫酸塩を含む液体を扱う場合それが原因で硫化水素が発生します。製紙工場ではパルプに硫化ナトリウムや硫酸塩を含んでいます。硫化水素による災害も発生しています。
硫酸塩が「硫酸還元菌」により還元され、硫化水素になります。この「硫酸還元菌」は嫌気性の菌で、滞留することで多く発生します。

排水処理場

排水には硫化物が存在している場合が多く、塩酸などの作用により硫化水素が遊離します。排水中に硫酸塩が存在すれば「硫酸還元菌」により硫化水素が発生します。
排水処理設備の電子機器が壊れる原因は硫化水素にあるかもしれません。

し尿処理施設

し尿中には硫黄を含む有機化合物(メチルメルカプタンなど)が含まれており、細菌による分解の過程で硫化水素が発生します。
人の体内で作れれる硫酸塩なども含まれているため、「硫酸還元菌」により、還元され硫化水素が発生する場合もあります。

清掃工場(焼却場)

ゴミに含まれる硫黄分(ゴム類、たんぱく質、石膏など)が燃焼することで発生する硫化物、硫酸塩、亜硫酸ガスが残灰に含まれています。残灰をピットなどで沈殿貯留すると、「硫酸還元菌」により硫化水素が発生します。

石油精製場

原油に含まれる硫黄を含む有機物は燃焼の際に二酸化硫黄(亜硫酸ガス)を発生させ、公害の原因となります。そのため、水素添加反応で硫黄分を硫化水素に変えて取り除きます。その際の硫化水素が輸送パイプやタンクなどから漏れる場合があります。

そのほか身近な場所でも

硫化水素は硫黄を含む有機化合物を分解するときに発生します。ビルの地下などにある排水槽 ドブ川 側溝 などでも発生している場合があります。

あなたを悩ませている「臭い」「電子機器の腐食」その原因は硫化水素かもしれません。
「コルライン」は硫化水素を除去することであなたの悩みを解決できるかもしれません。

ダンボールからの硫化水素発生

ダンボールからも硫化水素は発生します。極低濃度の硫化水素ですが、実験で作ってみました。材料は水と段ボール。

硫化水素で困ったときはご連絡ください。