性能試験

性能試験

硫化水素除去装置の性能試験は(多分)性能試験の規格がありません。各社好きな基準でテストしています。また、ホームページ上のデータでは本当の性能に関わる部分を出さずになんとなくイメージできるように書いているだけで比較できません。
でも、なかなかわかってもらえないんです。他の製品と比較して著しく性能が低いと言われると少しショックなのですが、説明しても理解してもらえないのであきらめている部分があります。ホームページでよくある、本当の性能がよくわからない条件の書き方をあげてみようと思います。コルラインのページでもそうですが、皆さん本当の性能が判らないように書いています。

ワンパスの硫化水素除去装置

私たちはワンパス(フィルターを1回通すことで除去するタイプ)の硫化水素除去装置の場合。性能と言えば、「どのような濃度のガス」を「どれだけの量」「どれだけの時間」「どのような条件で」処理できるかということになります。ですから、見積もり時にお客様に入口濃度 出口濃度(目的によってわかる場合もあります) 風量 期待寿命 これらを必ず聞きます。代わりにそれらを推測できる内容を聞くことで対応できますが、基本的にはどれかが欠けると容量を決められません。

入口濃度

入口濃度 フィルターに入ってくる濃度は重要になります。絶対的な吸着量は濃度が高ければ多く、低濃度になれは少なくなります。そのため、濃度が半分になったから寿命が倍になるということはありません。

宣伝文句の「除去率○○%」とだけ書いてあるものは、貴方の環境でもその除去率を達成させることができるとは限りません。達成できても数分、数時間でダメになる場合もあります。使用条件を入れて問い合わせしてみてください。

出口濃度

出口濃度 フィルター出口の濃度です。当然重要なのですが、ホームページで書いてあることは結構少ないです。

右は処理ガス量と除去率のグラフです。(除去率は 出口濃度/入口濃度 で計算しています。)
フィルターの性能は処理量が増えればどんどん低下していきます。フィルター容量を増やすと除去率100%がなが~~く続くとか、逆に初めから50%を切っているとか。どちらにしても、処理量が増えれば除去率が落ちます。=出口濃度が上がります。

だから、どこをもって寿命とするかは重要です。

具体的な数値でなくても規制などから数値を計算することは可能ですので、問い合わせてみてください。

宣伝文句の「100ppbを1年間除去し続けます」と書いてあるものは、除去率が1%でもあれば除去していると言っているのかもしれません。100ppbを3ppb以下にしますとは言っていません。

処理風量

処理風量も重要項目です。1m3/minと10m3/min なら10倍違います。カタログの種類によって SV値(フィルターの容量と風量の比)を書いている場合があったりします。ここがない場合はまずないでしょう。

期待寿命

期待寿命も重要項目です。ものによって慣習的に決まっている場合もあるらしいですが、確認必要です。設備が8時間稼働と24時間稼働では3倍違います。何かのトラブル対応で数時間もてば良いという設備もあります。空調用のフィルターの場合、新しく硫化水素がほとんど供給されない前提の計算を行っている(一般環境ならそうなので、間違ってはいないと思います)場合もあり、吸着材が安定している状態をもって、寿命としている場合もあるみたいです。

環境の前提は違う場合が多いのでご注意ください。

循環型の硫化水素除去装置

循環型の脱硫装置をラインナップしています。循環型は密閉したボックス内にいれて、その中の空気を何度も循環させることで除去します。これの場合性能は単位時間に単位空間の濃度をどれだけさげることができたか?とどれだけ使えるか?になります。

除去性能試験

右図は試験の結果です。PK-miniCの場合0.85m³を1.5ppmにしてPK-miniCを稼働すると14分で3ppb(弊社の設備の測定限界)以下になります。というグラフです。

試験条件は社内で決めています。だから他社さんだと1m³の空間だったりします。スタートの濃度も同じく1.5ppmではなく1ppmだったり、0.2ppmだったりします。

現場だと、完全密閉はあり得ないですし、周りにある硫化水素ガスがどんどん入ってくる環境の場合が多いです。そのため下がり切らない場合もあります。入ってくる量がとても多ければ下がっているのが見えない場合もあります。

周辺が数ppmあると小さい隙間でも硫化水素は入ってきて、下げきれない状態になります。周辺が数ppbでも部屋の出入りが多かったり、サッシが隙間だらけだったりすると数値的には変わらない場合があります。

除去性能比較 小型の他社製品なら送っていただければ、私たちのPK-miniCとの性能比較作成ます。(条件1.8m³BOXでテスト1ppm以下のスタート)問い合わせ頂ければ対応します。

フィルター寿命

フィルター寿命は1~2年で交換してくださいと言っています。根拠の話をされると、経験からとしか回答できないです。循環型の場合、完全に密閉されていれば、少しでも除去できてばいずれゼロになりますし、フィルターの処理能力より外気の導入量が多ければかわらないです。

どれだけの外気が部屋や盤内にはいってくるのか?が判らないのでなんとも言えません。出口濃度の項に書いたように「100ppbを1年間処理し続けます」みたいなのなら言えますけど、1年後も貴方の期待する効果がありますとは言い切れないです。

硫化水素で困ったときはご連絡ください。