ドライルームでの硫化水素除去

低湿度下での硫化水素除去

硫化物系の電池を作る環境では、工程によって水分厳禁です。水分が混じることで硫化水素の発生があり、ドライルームでの製造が必要となります。
そのため、ドライルームでコルラインを使いたいと仰るお客様がおられます。

ですが、コルラインは酸化鉄により、硫化水素を除去します。酸化鉄が硫化水素を除去するには水が必要となります。そのためドライルームではコルラインが効果を発揮することはできません。

低湿度下でのコルライン

コルラインは低湿度の場合、通常状態と比べ明らかに吸着性能が低下します。
右は400ppmの硫化水素をコルライン入りのカラムに流したときの除去率のグラフです。
高湿度状態の太いオレンジに対し、低湿度状態の細いオレンジでは明らかに性能が落ちているのが見えます。測定開始時は90%近く吸着できていますが、その後急激に落ちています。
とても、安心してお客様に届けられる性能とは言えません。

他の硫化水素除去剤

他の硫化水素除去剤でも、低湿度での使用を嫌がる場合があります。
あるメーカーではペレットの母材の表面に薬品をつけている製品があり、通常湿度では落ちないが、極低湿度状態になると表面の薬品がおちることで、著しく性能が落ちるそうです。
湿度の影響を受けない吸着材もあるかもしれませんが、低湿度下での使用をあらかじめメーカーに問い合わせをすることをお勧めします。

硫化水素で困ったときはご連絡ください。