硫化水素の単位

硫化水素は普段聞きなれない単位「ppm」もしくは「ppb」で濃度を示します。

1ppmは100万分の1(パーツ・パー・ミリオン)の意味です。
1ppbは10億分の1(パーツ・パー・ビリオン)の意味です。

10,000ppmで1%になります。
極低濃度で影響のあるガスです。

硫化水素が人体に与える影響

硫化水素ガスは自然界のいろいろな場所で発生しています。
身近な所では温泉、火山、下水や排水処理施設など様々です。

また、港湾・河川・運河・その他の浚渫作業などで汚泥を撹拌すると化学反応により、急速に高濃度化した硫化水素が空気中に発散することがあります。

硫化水素は濃度によって臭覚の麻痺、眼の損傷、呼吸器の障害、神経毒性などを引き起こし、人体に致命的な影響を及ぼす毒性の強いガスです。

臭覚の麻痺

硫化水素は臭いを感じなくなる

硫化水素は濃度0.02ppmくらいから臭いを感じだします。
0.3ppmくらいで誰もが臭いを感じ、3~5ppmで不快に感じる中程度の強さの臭気になります。

その後、20~30ppmで臭細胞の疲労により臭覚が麻痺し始め、濃度(臭気)の増加を感じなくなり100ppmでは臭細胞の麻痺によって硫化水素の不快臭が緩和される状態になります。

眼の損傷

硫化水素は低濃度でも危険

硫化水素は10ppmくらいの濃度でも眼の粘膜に刺激症状(かゆみ、痛み)を感じる場合がありますが、これは硫化水素が眼の粘膜の水分に溶けて硫化アルカリに変化して角膜、粘膜の組織破壊を引き起こすためです。

50ppm以下の濃度でも長期間暴露すれば、視野が不明瞭、まぶしさが増して「ガス眼」(結膜炎)の症状になります。

呼吸器の損傷

硫化水素は呼吸困難に陥る

硫化水素は濃度20~30ppmで鼻粘膜に乾燥感と痛みを感じ、咳など肺の刺激症状が現れ始めます。
100ppm以上を長期間暴露すれば咳、痰など気管支炎、肺炎になり250ppmを超えれば咳や痰が増え肺水腫になって、呼吸困難から窒息の危険性が高まります。

肺胞粘膜は薄いので硫化水素に破壊されやすく肺水腫が発症します。
肺水腫は100ppmで48時間、300ppmでは1時間、600ppmなら30分で起こり、肺に酸素の取り込みが困難になり窒息死となります。

神経毒性

硫化水素は意識障害から死亡の原因になる

低濃度の硫化水素は肺胞から血液に入った場合は、酸化により無毒化されるので即座に脳神経障害には至りませんが、長期間継続的に暴露した場合は何らかの障害(眼、皮膚など)が生じます。
しかし、700ppm以上になると酸化が間に合わないため、硫化水素が脳神経に直接作用して意識障害、呼吸麻痺を引き起こします。

1,000ppmでは意識喪失、呼吸停止、死亡、5,000ppm以上なら即死状態になります。

特定化学物質

硫化水素は特に危険な化学物質

特定化学物質とは労働者の健康に害を与える可能性が高い物質として、安全衛生法・特定化学物質障害予防規則・対象物質に上がっている化学物資のことで、1%を超える硫化水素は特定化学物質第2類物質にあげられ、作業環境評価基準の管理濃度としては1ppmとされています。

酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者

特定化学物質だけではない

硫化水素は1%を超える場合特定化学物質となりますが、それ以下の硫化水素でも規定はあります。
労働安全衛生法で定める「作業主任者」の中に「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者」というものがあります。酸素欠乏や硫化水素中毒が起こりやすいと安全衛生法施行令で定めた場所では、教育(技能講習)を受けた「酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者」が安全を確保してから作業をしてくださいという法令です。
ここでの基準濃度は10ppm未満とされています。原文は「硫化水素濃度が100万分の10を超える」という記載になっています。

電子機器への影響

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電子機器への影響

人が0.02ppm(20ppb)で臭いを感じだすのに対し、電子機器は0.003ppm(3ppb)程度から影響が出だします。つまり、何も臭わないのに硫化水素による腐食は発生する場合があります。
特に銀や銅などの金属に影響が大きく、プリント基板の短絡、コネクタの接続不良などのトラブルが発生します。

機器の設置規格

電子機器の設置環境に関する規格に「電子情報技術産業協会規格」というものがあります。ここではどのような電子機器がどのような状態に置かれることが適しているのかを規格化されています。
機器の設置環境によってClassA~ClassS3に分類されています。硫化水素はここでは「腐食性ガス」と扱われており、機器によってClassAまたはClassBにすることを推奨しています。
具体的には「コンピュータ」「工場などによくあるPLC」などがClassA「パソコン」「マウス」「カメラ」などがClassBに分類されています。
ClassAのものは硫化水素濃度0.003ppm ClassBのものは他のガスの濃度にもよりますが、0.01ppm以下~10ppm以下とされています。

電子機器の腐食トラブルがあるのなら、臭いがしないからと言って、きれいな空気だと思い込まないで、一度環境測定をお勧めします。

悪臭防止法

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悪臭防止法について

硫化水素は空気より重く(比重1.1905)無色の水によく溶ける弱い酸性ガスで、腐った卵に似た特徴的な強い刺激臭がして、目、皮膚、粘膜を刺激する有毒な気体です。
悪臭防止法で悪臭物質のひとつに特定されており、噴火口や硫黄泉などの臭いが「硫黄の臭い」と言われていますが、硫黄は無臭であり、これは硫化水素の臭いです。

人為的な硫化水素の発生源 石油化学工業などや、下水処理場、ごみ処理場
飲食店などの厨房などの排水路で閉店後など水が動かなくなると発生
糞や屁にも若干含まれます
自然由来の硫化水素の発生源 火山ガスや温泉などに含まれており、空気よりも重いので火山地帯や温泉の吹き出し口などの窪地にたまりやすい
温泉街など硫化水素が発生しやすい場所では、銀、銅は接触によってサビ・腐食が発生して家電製品や精密機器などにも悪影響を及ぼします。

悪臭防止法は規制地域内の工場・事業場の事業活動に伴って発生する悪臭について必要な規制を行うこと等により生活環境を保全し、国民の健康の保護に資することを目的とされています。
また、特定悪臭物質とは、不快なにおいの原因となり、生活環境を損なうおそれのある物質であって政令で指定するもので、現在22物質が指定されていて、人間の嗅覚によってにおいの程度を数値化した臭気指数で排出を規制されています。

特定悪臭物質と臭気強度の濃度関係及び発生源とにおい特性 ( 単位 ppm )

悪臭物質 臭気強度 主 要 発 生 源 においの特性
1 2 2.5 3 3.5 4 5
アンモニア 0.1 0.6 1 2 5 10 40 畜産農業、鶏糞乾燥場、複合肥料製造業、でん粉製造業、化製場、魚腸骨処理場、フェザー処理場、ごみ処理場、し尿処理場、下水処理場等 し尿のような臭い
 メチルメルカプタン 0.0001 0.0007 0.002 0.004 0.01 0.03 0.2  クラフトパルプ製造業、化製場、魚腸骨処理場、ごみ処理場、し尿処理場、下水処理場等  腐った玉ねぎのような臭い
 硫化水素 0.0005 0.006 0.02 0.06 0.2 0.7 8  畜産農業、クラフトパルプ製造業、でん粉製造業、セロファン製造業、ビスコースレーヨン製造業、化製場、魚腸骨処理場、フェザー処理場、ごみ処理場、し尿処理場、下水処理場等  腐った卵のような臭い
 硫化メチル 0.0001 0.002 0.01 0.05 0.2 0.8 20   クラフトパルプ製造業、化製場、魚腸骨処理場、ごみ処理場、し尿処理場、下水処理場等   腐ったキャベツのような臭い
 二硫化メチル 0.0003 0.003 0.009 0.03 0.1 0.3 3
 トリメチルアミン 0.0001 0.001 0.005 0.02 0.07 0.2 3  畜産農業、複合肥料製造業、化製場、魚腸骨処理場、水産かん詰製造業等  腐った魚のような臭い
 アセトアルデヒド 0.002 0.01 0.05 0.1 0.5 1 10  アセトアルデヒド製造工場、酢酸ビニル製造工場、クロロプレン製造工場、たばこ製造工場、複合肥料製造業、魚腸骨処理場等  刺激的な青ぐさい臭い
 スチレン 0.03 0.2 0.4 0.8 2 4 20  製造工場、ポリスチレン製造・加工工場、SBR製造工場、FRP 製品製造工場、化粧合板製造工場等  都市ガスのような臭い
プロピオン酸 0.002 0.01 0.03 0.07 0.2 0.4 2 脂肪酸製造工場、染色工場、畜産事業場、化製場、でん粉製造工場等 刺激的な酸っぱい臭い
 ノルマル酪酸 0.00007 0.0004 0.001 0.002 0.006 0.02 0.09 畜産事業場、化製場、魚腸骨処理場、鶏糞乾燥場、畜産食料品製造工場、でん粉工場、し尿処理場、廃棄物処分場等  汗くさい臭い
 ノルマル吉草酸 0.0001 0.0005 0.0009 0.002 0.004 0.008 0.04   むれた靴下のような臭い
 イソ吉草酸 0.00005 0.0004 0.001 0.004 0.01 0.03 0.3
トルエン  0.9 5 10 30 60 100 700 塗装工場、その他の金属製品製造工場、自動車修理工場、木工工場、繊維工場、その他の機械製造工場、印刷工場、輸送用機械器具製造工場、鋳物工場等       ガソリンのような臭い 
キシレン  0.1 0.5 1 2 5 10 50
 酢酸エチル 0.3 1 3 7 20 40 50   刺激的なシンナーのような臭い
 メチルイソブチルケトン 0.2 0.7 1 3 6 10 50
 イソブタノール 0.01 0.2 0.9 4 20 70 1000  刺激的な発酵した臭い
 プロピオンアルデヒド 0.002 0.02 0.05 0.1 0.5 1 10 塗装工場、その他の金属製品製造工場、自動車修理工場、印刷工場、魚腸骨処理場、油脂系食料品製造工場、輸送用機械器具製造工場等   刺激的な甘酸っぱい焦げた臭い
 ノルマルブチルアルデヒド 0.0003 0.003 0.009 0.03 0.08 0.3 2
 イソブチルアルデヒド 0.0009 0.008 0.02 0.07 0.2 0.6 5
 ノルマルバレルアルデヒド 0.0007 0.004 0.009 0.02 0.05 0.1 0.6   むせるような甘酸っぱい焦げた臭い
 イソバレルアルデヒド 0.0002 0.001 0.003 0.006 0.01 0.03 0.2

※都道府県知事あるいは政令指定都市市長は、指定地域内において臭気強度2.5~3.5 の範囲内で地域の実状により特定悪臭物質及びその濃度を設定する。

臭気強度 においの程度(6段階臭気強度表示法)
0 無臭
1 やっと感知できるにおい
2 何のにおいであるかがわかる弱いにおい
3 らくに感知できるにおい
4 強いにおい
5 強烈なにおい