測定に必要な資格
私たちはお客様の要望で、現地に行って測定を行う場合があります。先日装置のデモを兼ねてお客様のところに測定に伺った際に、「あなたは測定に必要な資格を持っているのか?」と聞かれました。「具体的に何が必要ですか?」と聞き返しましたが、社内で、資格が必要と聞いたそうで、内容はわかならいとのことでいた。私の知る限りですが、測定に関係しそうなのは「酸素欠乏症等作業主任者」(酸欠則)「作業環境測定士」(特定化学物質)くらいでしょうか?
それぞれについて、少し書きます。
酸素欠乏危険作業主任者
酸素欠乏危険作業主任者とは、酸素欠乏が起こりそうな場所で作業するとき、作業者が安全に作業できるように指揮する人のこと。特別教育なので講習を受けるだけの資格です。
この業務のなかには酸素欠乏及び硫化水素中毒の恐れがある場所で作業する場合、作業現場における硫化水素濃度測定があります。10ppm以下であることを確認する必要があります。
テキストには
ア。その日の作業を開始する前
イ。作業を再開する前
ウ。身体、換気設備に異常があったとき に測定が必要となっています。
(硫化水素濃度は変化するので、個人的には常時測定していないことは問題だと思います。)
これの適応範囲は酸素欠乏及び硫化水素中毒の恐れがある場所=
・海水が滞留しておりもしくは滞留したことおある熱交換器、管、暗きょ、マンホール、溝若もしくはピット
・し尿、腐泥、汚水、パルプ液そのほか腐敗し、または分解しやすい物質を入れてあり、または入れていたことのなるタンク、船倉、槽、管、暗きょ、マンホール、溝またはピットの内部
等でいずれも腐るものがある換気が著しく悪い場所です。
普通の部屋等は範囲に含まれません。
作業環境測定士
硫化水素は濃度によっては特定化学物質になります。特定化学物質になると、作業環境測定士による測定が義務付けられています。ガスクロにる測定が必要で、1ppm以下になるようにする必要があります。
特定化学物質では1%以下は適応外となっています。ですから1%を超えなければ特定化学物質ではありません。
1%の硫化水素というと、吸引すれば即死の危険物です。一般環境で臭いなどと言っている濃度ではないのでご安心ください。
腐食の実験などで硫化水素ガスのボンベなどを使う場合はご注意ください。特定化学物質にあたる硫化水素の場合は他にも多くのことが必要になります。健康診断、局所排気装置・・・。できれば適応外になる濃度で使用されることをお勧めします。
私は酸素欠乏危険作業主任者の教育は受けましたが、作業環境測定士ではありません。弊社の設備もそれに対応していません。(ガスクロは扱いが面倒で現場でちょっと測るのには向きません)弊社で行える測定は参考値程度でお考え下さい。
硫化水素で困ったときはご連絡ください。