循環型脱硫装置を置いたら壊れた?

デモ機貸し出し

デモ機を貸し出したお客様から、デモ機を置いたことで盤内の機器が故障したと連絡をいただきました。
私はお客様が弊社の装置が原因で壊れたと思われたことがとても悲しいです。

お客様の見解

弊社の循環型脱硫装置が制御盤内下部(硫化水素が濃い部分)の空気を巻き上げたことによって、盤内上部(硫化水素が薄い部分)にある機器が硫化水素によって破損した。
トラブルを招くような、循環型脱硫装置の購入は見送る。
とのことでした。

私の見解「硫化水素は空気より重たいので下にたまる。」について(あくまで「私の」です)

硫化水素の分子量 34.1g/mol 空気の分子量 28.8g/mol  なので硫化水素の方が重たいです。
空気に含まれる 二酸化炭素44.0g/mol  で、硫化水素より重たいです。二酸化炭素も下にたまるといわれることがありますが、立っている時より、寝ている方が二酸化炭素濃度が濃いの?って思いませんか?
一般に、硫化水素や二酸化炭素で下にたまるといわれる環境は「地下ピット」「タンク内」など密閉されて空気の循環ほとんどない環境です。ですが制御盤内は~
・多くの場合そこまで密閉されていません。(できるだけ密閉してくださいとおねがいしていますが・・)入線部分や扉 各機器の取り付け穴など小さいですが多くの抜け穴があります。
・空気はある程度循環されます。多くの制御盤内にはファンを持った機器が入っています。それによって内部の循環が発生します。ファンを持った機器が無い場合でも機器が熱を発生するのでその熱により盤内部で空気がうごきます
ですから、下の方が濃いというのは制御盤内では発生しづらいと思います。

私の見解「壊れた原因」について

じゃあ、壊れた原因は何なのか?
私が疑うのは下記の2点です。
・循環型脱硫装置を設置するまでに壊れる原因ができてしまっていたのではないかと思います。硫化水素による電子機器の破損の一つにプリント基板などの配線が硫化に体積が増え、隣の配線とつながり、短絡してしまうことがあります。短絡する寸前だったものが、たまたま設置後に短絡したのではないか?
・濃度が下がりきらない環境だったのではないかと思います。先にも書いた通り、制御盤は完全には密閉されていません。循環型脱硫装置で取り除くより多くの量が外部から入ってくると間に合いません。
この2点が原因で「循環型脱硫装置の設置後に機器が壊れる」といった現象が起こったと思います。

遠方でも、きちんと周辺の写真や硫化水素濃度 盤内の状態などを教えていただければ誤解されたままではなかっただろうと思います。

硫化水素で困ったときはご連絡ください。