離れていても影響します

発生源と故障個所の距離

硫化水素かも

高額な検査機が壊れたので原因を検討中。製造工程で硫酸を使用するので、「硫化水素が原因かも」ということで弊社にお問い合わせいただきました。

このホームページではいろいろなところで書いていますが、人が臭いを感じる限界より低濃度で電子機器には影響があります。そのため、臭いを感じなくても硫化水素による腐食が起こっている可能性があります。このお客様もその一例です。

実際に検査機が壊れたという現場では臭いはしませんでした。また、硫酸を使用する製造工程は別建屋で百メートル以上離れており、すぐに硫化水素が原因とは思いづらかったです。正直、私自身は他の腐食性ガスを疑っていました。

 

簡易測定

現場にて、簡易測定を行うとわずかに、硫化水素が検出できました。風に乗って、離れたところまで来ているのか?と思い建屋の外で測定。ですが、検出できず。工場内いろいろと歩き測定するのですが、確かに硫酸を使用する工程の近くでは検出するのですが、検出しない個所の方が多い状態でした。

検査機が壊れた建物の付近で、はじめ測定した際にはゼロを示していた箇所で再度測定すると硫化水素を検出しました。そこで風上をみると木の後ろにステンレスの桝がありました。お客様に何の設備かを聞くと排水の管理をしているとのことでした。

原因は排水

検査機が壊れた建物の裏は排水管理設備で、工場各所から排水が集まっていました。そのため、遠く離れた現場から硫化水素を発生させる水を運んできていました。

見つけられなかったのは
・風向きの影響
はじめ測定した際は検出できなかった。
・立地
発生源と思われる製造工程から離れる方向だった。
植え込みで道路見えない。
・排水を処理しているわけではない
排水処理設備ならもっと臭っていたはずです。

とてもいっぱい歩くことになってしまいました。

他にも

この件を会社で話をしていると、ほかでも同じようなことがあったらしいです。硫化水素を発生させる排水は要注意です。

そのほかにも「消臭棟」など消臭している設備の周りも危険らしいです。目的が消臭なので「臭わなければOK」ですが、電子機器は臭わなくても故障の原因になります。
また、「消臭設備」の場合出口付近が基準ではなく、希釈され工場外にでるとき規定濃度にならないようにするものなので、消臭設備の横にいると臭う場合が多いです。

社内で硫酸などを使っている場合は離れていても注意してください。

硫化水素で困ったときはご連絡ください。