ファン付きの盤内測定

「循環型は密閉してください」とおねがいしています

制御盤内に循環型の硫化水素除去装置を設置される場合、「盤内を密閉してください。」とお願いしています。ですが、実際に完全に密閉できる場合は少なくどこからか外気が入ってきます。冷却が必要だからということで、冷却ファンがついている場合もあります。

冷却ファン付きの盤はほとんど効果が見られません。部屋全体の硫化水素を減らしてくださいとお願いしています。

実験してみました

実際には冷却ファンを止めてもらうことで一定の効果が見られます。実際にどの程度除去できるかを調べるのに、硫化水素環境下にアクリルボックスを置いてテストをしてみました。

ボックスのサイズは 300*300*300 ファンφ80 開口60*100 で中にコルラインとファンを入れて、硫化水素の環境下に置き、内部濃度を測定します。

(実際の盤はもっと体積当たりの開口面積は少ないと思います。)

測定結果

測定結果1

硫化水素環境下で測定をしています。グラフの縦軸が硫化水素濃度 横軸が時間です。

アクリルボックス(制御盤のイメージ)のファンを動作している状態でコルラインのファンは停止中
1.7ppm コルラインのファンを動かすと 1.6ppm とわずかに減少します。
「ファンが動いていると効果が見られません」と言っている状態です。

次にアクリルボックス(制御盤のイメージ)のファンを停止します。
1.6ppmの濃度が 0.8ppmと約半分まで減少します。
「ファンが止められるならある程度効果が見込めます」と言っている状態です。

測定結果2

グラフにオレンジの線を追加しています。

これはアクリルボックスの開口部をビニールで蓋をした結果です。適当な蓋なので、ある程度硫化水素が外部から入ってくる状態ですが、蓋をしない時と比べると一気に下がるイメージになります。0.2ppm以下にはなっています。(時間をかければもっと下がると思います)

「できるだけ密閉してください」の状態です。

温度センサーをお勧め

「部屋全体の濃度を下げてください」と言っても予算やスペースの問題で部屋に循環型を置くことができない場合もあるでしょう。

少しでも改善しようとするなら、制御盤のファンに「温度センサー」を付けてください。一定温度にならないとファンを回さないことで「結果1」のように濃度を約半分にすることができるかもしれません。盤の状態によるでしょうか、ほとんどの盤は冬場もずっと回転するようなことはないと思います。半分の期間、濃度が半分になると腐食の進行を止められなくても寿命を延ばすことはできると思います。

「温度センサー」は3千円くらいでファンの配線に割り込ませるだけで設置できます。一度試してみる価値はあると思います。

硫化水素で困ったときはご連絡ください。