センサーの干渉ガス

干渉ガス

「干渉ガス」という言葉を聞いたことありますか?

ガスを測定する際にその結果に影響を及ぼすガスを言います。「そんなのあるの?」みたいに思うかもしれませんが、ほとんどのセンサーに多かれ少なかれあります。

安全の確認に使う「複合型ガス検知器」では「硫化水素」と同時に「一酸化炭素」を測定できるものがあります。測定原理にもよりますが、弊社で使用しているものは一酸化炭素のセンサーは硫化水素があることで反応します。

精度保証範囲より高い濃度の硫化水素を流すと、一酸化炭素の濃度がどんどん上がります。(実際のガスには一酸化炭素は含まれていません。窒素ー硫化水素のボンベと空気だけです)

硫化水素用の検知管でも、塩化水素や二酸化窒素で影響がでる種類があります。

プラス干渉とマイナス干渉

センサーは対象ガスの「物理的」「化学的」な性質を利用してそのガスの濃度などを読み取ります。

そのため、測定対象ガスと似たガス(干渉ガス)が存在することで、センサーが測定対象ガスと間違い反応してしまい、数値が上がることがあります。先に書いた、一酸化炭素センサーが硫化水素に反応するようなものです。

干渉ガスには逆も存在しています。干渉ガスが、センサーの化学反応を阻害することで、数値が小さく出てしまう場合があります。弊社の使用している低濃度用の硫化水素測定機も「亜硫酸ガス」「二酸化窒素」などの影響で数値が小さく出るらしいです。

以前、「においセンサー」で排水処理場の数値を測定に行きました。その際、屋外をゼロに設定。測定対象の部屋の中を測定すると、数値がマイナス表示になりその後エラー表示になり、測定を断念したことがあります。おそらく、マイナス干渉のガスが多くあったためそうなったのだと思います。客先に「ガスがあると数値が小さくなる」ということがうまく伝わらずとても苦労しました。

ガスセンサーを使用する際は「干渉ガス」があることに注意しながら作業してください。