無酸素下でのコルライン

弊社のコルラインは「酸素」がある状態で使っていただくことを推奨しています。「酸素」があることで、「硫化水素」を吸着した「硫化鉄」が「酸化鉄」に戻るため、長寿命になります。

無酸素ではこの戻る反応がないため、寿命が短くなります。

そのほかに、無酸素状態から酸素のある状態へ戻った際に、「硫化鉄」が「酸化鉄」に戻る反応が一気におこり、発熱します。最悪発火することもあります。

そのため、無酸素下での使用は十分に注意が必要です。

今回、お客様の要望で無酸素で使いたいという案件があり、それに向けた試験をしていました。

右は、破過試験のカラム内のフィルターの様子です。左側から硫化水素が流れ込みます。ある程度の濃度のガスを流すと 通常、硫化水素によってじわ~っと黒っぽくなります。

ですが、無酸素下(窒素+硫化水素)ではその境界がとてもはっきり表れており、驚きました。

同じ濃度で、酸素のある環境では境界があるはずの部分でも境界はわかりません。(肉眼でみるとなんとなくわかりますが写真では全くわかりません)

高濃度の「硫化水素」によって「硫化鉄」(黒色)になるのと同時に、「硫化鉄」(黒色)が「酸化鉄」(茶色)に戻ることで境界をあやふやにしているのだと思います。

ちなみに、このあとフィルターを取り出す際には煙が出ました。(想定内で、すぐに消火用バケツにいれました)低濃度の場合は「硫化鉄」の量が少ないので、発熱が少なく、燃えるようなことはないと思われます。

実証したいのですが、なかなか長期の試験ができないので悩み中です。