酢のある環境での銅
食品工場からの問い合わせで「硫化水素が原因で冷房の銅配管が腐食し、穴が開く」という内容で、問い合わせをいただきました。お客様でガスを調べ硫化水素が確認できたため、硫化水素と判断されたらしいです。お客様のいう硫化水素の濃度が低いにも関わらず、穴が開くまでの期間が短いので何かほかに原因があるのか?と思いました。
試しに、銅片を置いてもらうとすぐに2,3日で真っ黒になっていたそうです。現場の状態を「卵のにおい(硫化水素)しますか?」と聞くと、「酢のにおいしかしません」とのこと。「酢」?
「酢」と硫化水素 私の不勉強なだけかもしれませんが、酢からは硫化水素は発生しそうにないと思います。
試しにやってみよう。ということで「酢」を買って試してみました。
銅は酢で黒くなる(ようにみえる)
メスシリンダーに酢を入れ、数時間待ち、硫化水素計で測定するも、無反応(濃度が低すぎるのかは不明?)
とりあえず、蓋つきのメスシリンダーに酢をいれ、いつもの「アースバーを切ったもの(銅片)」を「酢の中」「酢の上(酢からのガスがある状態)」とおいて放置しました。
もともときれいな銅片が数日で真っ黒になっていました。
酢の中につけたものも艶がなくなっています。
左から、メスシリンダーの外(通常環境)、酢の中、酢の上につるしたもの です。
酢の中は少しくすんだような感じに見えます。表面をこすると、黒っぽいものが見えます。(銅片の下が紙にこすりつけたあと)吊るしたものは黒に見えますが、緑の濃いものです。(紙にこすりつけると緑です)
硫化水素と反応した銅は黒色 硫化銅です。吊るしていた銅は黒に見えますが、濃い緑 おそらく硫化銅ではありません。(酸化銅?)
酢酸などによって、銅が腐食することがあるそうなので 今回の場合は硫化水素が主原因ではなく、酢酸が原因なのではないか?とお話ししました。もちろん硫化水素が原因で冷媒配管に穴が開くことももちろんあります。その際は「コルライン」にお問い合わせください。