低濃度硫化水素測定

低濃度硫化水素測定

F80Lの納品を兼ねて、温泉宿泊施設で硫化水素測定を行いました。

今回、測定した部屋は弊社の商品では対応が難しい案件でした。

故障するのは熱交換機部分で銅管の腐食によるガス漏れです。外気(硫化水素を含む空気)を空調機械室内に取り込む構造になっており、吸引量も多く一度に処理すると大型の設備になるためコスト面で対応が難しくなってしまいます。

夏頃に一度お伺いして、測定を行い、その後今回冬に測定。夏と冬で傾向が違いました。

ちがい

今回冬に測定して判ったのですが、空調機械が設置されている部屋の中と外の傾向が夏と冬で異なりますした。

夏は先に書いたように、外気に硫化水素が含まれ、そのガスを部屋の中に吸い込むため室内に硫化水素が入りました。そのため、外の濃度が高い状態です。

今回(冬)は傾向が違い、部屋の中が濃度が高く、外が低い状態でした。外気導入の口付近では未検出、室内の高い部分だと0.6ppmありました。

原因

外が未検出の原因はおそらく風向きです。外気導入口から少し離れたところに温泉の湯気が上がっているのですが、湯気が導入口に来ないような風向きでした。たまたまなのか、季節によって風向きが変わるためなのかはわかりませんが、日本では冬は北西からの風、夏は南風が代表的な風で季節風などと呼ばれています。

室内が高い理由は 温泉地なので、暖房の熱を温泉からもらっていることが原因の一つのようです。完全に開放されているわけではないですが、空調機室内に温泉が流れるためそれが原因で室内が高くなっているようです。

そのため、外につながるドアを開き、10分ほど待つと室内の濃度が下がる結果となりました。

今回は暖房が原因の一つでしたが、設備稼働の有無、風向き、気温など いろいろな要素で濃度は変わってしまいます。原因を見つけ対策することで、設備トラブルは減らせます。

硫化水素で困ったときはご連絡ください。