端子台の腐食
一見何もないように見えますが・・
この図は、お客様の制御盤内の写真です。とても悪い環境にあった盤のなかですが、パット見て、端子の部分のビスがきれいな銀色なので腐食していないと思ってしまいそうです。
先の図のアップです。端子の部分を見てください。黒っぽくなっているのがわかると思います。おそらく、酸化物です。写真ではわかりづらいですが、黒い埃が付いているような感じです。
左は未使用の端子と銅線です。(圧着前)
きれいな銀色と銅の色をしています。
上の端子台では黒っぽくなっています。
セレクトスイッチも
左は上と同じ盤内にあったセレクトスイッチです。
ビスはきれいですが、銅の部分は黒くなっています。
ユニット取付用の黄銅のメネジは真っ黒で、「この部品、黒染めだったっけ?」と思いました。
左は同じセレクトスイッチで、硫化水素の無い環境で置かれていたものです。
黄銅の部分もきれいなままです。
材質で腐食の度合いが違う
端子の部分のアップです。
赤で囲った部分は銅線 真っ黒です。
青で囲った部分の端子は比較的きれいです。
材質と表面処理で整理してみましょう
銅線 = 銅 + 表面処理なし ~ あたり前のように黒い硫化銅になっています。
端子 = 銅 + すずメッキ ~ メッキがある分まだ銀色ですが、下から硫化銅が出てきそうな感じです。
端子台 = 銅? + すずメッキ? ~ メッキなのでマシなのか?意外と鉄だったりして。
ビス = 鉄? + 亜鉛メッキ? ~ 鉄は銅などに比べると硫化水素に強いのであまり変わりません。
被害はぱっと見ただけでは気づかない場合が多いです。
電子機器が良く壊れる場合など、銅、銀などがむき出しの部分よくみてみてください。
このコンセントプラグはよくわかる
端子台と同じ現場に合ったコンセントプラグです。よくわかる例として挙げます。
メッキされていると判り難いですがこのコンセントプラグはとてもよくわかります。
コンセントプラグの金属部分はおそらく真鍮(銅と亜鉛の合金)です。
現場に合った方(左)は真っ黒になっていますが、未使用のプラグ(右)は黄銅のままの色です。
この現場の場合、おそらく硫化水素による、腐食が原因と思われます。
PLCが壊れる インバータが壊れる など電磁部品が耐用年数(一部部品を除き10年くらいが一般的)より短い場合何か原因があるかもしれません。
一度腐食性ガスを疑ってみてはどうでしょうか?
硫化水素で困ったときはご連絡ください。