この災害は、貝類が腐敗して送水管内に生成された硫化水素が吐出したことにより発生したものであるが、同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。
1 槽内の清掃作業のための換気を行いやすいように槽ごとにマンホールのほかに開口部を設けること。
2 閉止していた送水管へ海水を送り込むときは、送水管に滞留していた内容物がすべて吐出されたことを確認し、槽内に入るときは酸素および硫化水素の濃度を測定し、安全を確認してから換気を稼働させた状態で槽内に入り、作業中は換気を継続することなどを内容とする作業手順を作成し、作業員に周知すること
3 槽内に入る前の測定結果により、必要に応じて空気呼吸器などを着用すること
4 第二種酸素欠乏危険作業主任者を選任し、その者に作業を直接指揮させ、作業を開始する前および異常時に酸素および硫化水素の濃度測定、測定器具、換気装置、空気呼吸器等の設備の点検、空気呼吸器等保護具の使用状況の監視などを行わせること