軸流ファンを硫化水素雰囲気下で使う

硫化水素雰囲気下

硫化水素雰囲気下で軸流ファンを使うと、銅線が腐食し断線します。弊社の循環型脱硫装置では「密閉」をお願いしていますが、きちんと守られずどんどん硫化水素が入ってくる環境では硫化水素により銅線が腐食し断線したことがあります。(メーカーさんに調べてもらいました)

ある、会社にお邪魔した際に「断線でダメになる」という話をすると断線ではなく壊れる(ぴくっと動くけど動かなくなる)ということだったので、自社で再現してみることにしました。

この会社さんは数時間とても高い濃度の硫化水素を軸流ファンに流しているそうで、1回で壊れるときもあるとのこと。

同じくらいの濃度に調整し、硫化水素雰囲気下でファンを回してみました。

 

数日分たつと

2,000ppmのボックスの中でファンを回しました。数時間では全然平気でした。夜間は停止し、1週間(連続運転でいうと40時間くらい?)経過した後の月曜日、ぴくっと動いて止まる状態になりました。

手で羽根を回してみると、抵抗が大きい(引っかかりがある感じ)ですが、外観にはなにも変化はありませんした。右は羽根を外した状態です。

エナメル線は表面にメッキが施されているので、腐食することもなくパット見た感じ何も変わりません。

錆びが原因?

軸部分についている止め輪を外し、ローターを引き抜きます。

ローターの外周部分に析出物がついていました。分析する機器もないので、何なのかは不明ですが、茶色で色からすると錆びっぽい感じの色です。

同じくコイルコア部分(外側)も錆びっぽいものが発生していました。ローターとコイルコア、それぞれにできた錆びっぽいものが接触することで、抵抗になり止まってしまう原因となったと思われます。

断線以外でもトラブルの原因になるのだなぁと勉強になりました。

鉄+硫化水素+水分の環境はとても錆が発生しやすくなります。ご注意ください。

硫化水素で困ったときはご連絡ください。