この災害は、ホテルの地下汚泥沈澱槽内において清掃の準備作業に従事していた作業者2名が硫化水素を吸入して意識障害を起こし、また、その救出に当たった作業者1名も同様に硫化水素を吸入し中毒になったものである。
当日は、沈澱槽内清掃の初日で、午前中は槽内の排水、堆積汚泥の攪拌等を行い、午後1時20分頃から槽内の作業環境測定が行われた。
その後、被災者Aはジェット洗浄による汚泥除去作業のため、被災者Bは清掃前の現況写真撮影を行うため、別々のマンホ-ルからほぼ同時に槽内に入った。
その直後に、汚泥が多量に堆積した箇所に降り立ったBが意識を喪失した。
AはBを救出しようとしたが、自分も気分が悪くなったためマンホール外に居る作業員に救助を求めた。
Aから救助を求められた現場責任者Cは、A、Bを救出するためマンホール内に入ったが自分も気分が悪くなり倒れた。
その後、3名は、他の作業員等に救助されホテルの医務室に運ばれ、救急処置が施された結果いずれも回復した。