この災害は、ゴミ焼却場において、焼却炉に廃棄物を投入する作業中、作業者が炉内に転落したものである。
この会社は、主として建物清掃、洗車、廃棄物処理等を請け負っているが、月に一度は使用済みの紙類を麻袋に詰めてゴミ焼却場まで小型トラックで運送し、麻袋を切り開いて焼却炉に投入する作業を行っていた。
災害発生当日、被災者は、同僚と2人で朝からこの作業に従事し、午前中には40袋を処理し、午後にも残りの処理をするため、40袋を運んで1 時少し前に焼却場に到着した。
午前と同様にピットのところにトラックを後ろ向きに停車させてから、荷台から麻袋を降ろしてカッターで斜めに切り開き、二人で中の紙類を投入する作業を行った。3 個目の投入が終わり、同僚が次の麻袋を荷台から降ろしていた時に、「アー」というような声を残して被災者が投入口のスロープを滑るように焼却炉の中に転落した。異常を知った焼却場の職員達が駆けつけてきて、一人が縄ばしごで降り始めたが、「ガスがひどい」と引き返し、救急隊を呼んで救出したが既に意識はなく、約11時間後に肺水腫で死亡した。