被災者は同僚作業員と、魚粉や魚油を製造するプラントにて、原料となる魚滓の血汁が流れ込む「血汁受タンク(以下、タンク)」へ接続している配管が詰まり、血汁が流れ出ず、「スクリューコンベヤ」のパッキン部分から血汁が漏れ出ていることを確認した。
そこで、配管の詰まりを除去するため、被災者はタンクの上部点検口からタンクに入り、頭部をタンクの外に出し、同僚作業員はタンクの上部でホースを持っていた。次いで、被災者は、タンクに接続している配管に、タンクの中から水を流そうとタンクの内部に頭部を入れたところ、直ぐに被災者は頭部をタンクの外に出し、被災者の身体はタンクの中に沈み込んだ。
ホースをもっていた同僚作業員は、直ちにタンクの点検口に入り、頭部をタンクの外に出したまま、タンク内部に前屈みで倒れていた被災者の作業着の襟を掴むとともに助けを求め、駆け付けた清掃作業員とともに、被災者をタンクの外部に救出した。
被災者は救急搬送され、搬送先病院にて「急性ガス中毒(硫化水素中毒疑い)」と診断された。