この災害は、鶏肉の処理加工を行っている工場で発生した。
この事業場では鶏肉の解体処理および食用にならない内臓、骨、頭部等を処理して飼料の原料となるチキンオイル、チキンミールの製造を行っている。鶏の内臓の解体処理は処理工場で、チキンオイルなどの製造はレンダリング工場で行っていた。
レンダリング工場では、原料チョッパーから送られてきた鶏肉・内臓等はストックタンクで一時貯蔵し、一定量ずつ取り出してクッカーへ送り、処理加工を行っている。
災害発生当日(月曜日)朝、前週土曜日午後6時の終業時にストックタンク内に貯蔵されていた鶏の内臓等原料(6.1t)が腐敗膨張してガスも発生し、タンク上部の鉄製蓋(縦47cm、横69cm)を持ち上げてガスと原料が溢れ出し、蓋はタンクの内部に落ちた。
原料等の溢出を知り、工場長A、現場責任者Bおよび保安係Cが現場に駆けつけ、現場責任者Bはタンク内に落ちた蓋を取り出そうと、タンク内に入ったが意識を失って倒れた。 これをみてBを救出しようとしてタンク内部に入ったCがBにロープを掛けたところで倒れ、Bを引き上げた後、C救出に入ったAも倒れた。
なお、タンクの冷却装置は稼働していなくて、日曜日の最高気温は29.5℃であった。