この災害は、下水道管等の補修工事において、元請けの現場代理人が補修前の状況の写真撮影中に硫化水素を吸入してマンホール内で意識を失い、その救助にあたった下請けの作業員2名も硫化水素中毒となったものである。
災害発生当日、現場代理人は、下請けの作業者とともに工事現場に赴き、作業者を2班に分けて既設の下水道管のライニング工事の準備作業に取りかかった。
現場代理人は、午前8時50分頃、自分が担当したマンホール内の換気と作業環境測定を行い、次いで下水道管の現況の写真撮影を行うため、マンホールから入れてあった換気装置を取り外してマンホールに入ったところ、気分が悪くなった。
いったんは、自力で地上に出ようとしてはしごに登ったが、3~4分後に意識を失いマンホールの底に転落した。
これを見ていた下請けの作業員が、マンホールの中に入って行ったが、相次いで倒れた。
その後、他の作業員達によって3名とも救助されて救急車で病院に搬送され、硫化水素中毒と診断されたが、処置が施された結果、全員が一命をとりとめた。