下水道管の補修工事で写真撮影のためマンホール内に立ち入り硫化水素中毒

発生状況

 この災害は、下水道管等の補修工事において、元請けの現場代理人が補修前の状況の写真撮影中に硫化水素を吸入してマンホール内で意識を失い、その救助にあたった下請けの作業員2名も硫化水素中毒となったものである。 
 災害発生当日、現場代理人は、下請けの作業者とともに工事現場に赴き、作業者を2班に分けて既設の下水道管のライニング工事の準備作業に取りかかった。
 現場代理人は、午前8時50分頃、自分が担当したマンホール内の換気と作業環境測定を行い、次いで下水道管の現況の写真撮影を行うため、マンホールから入れてあった換気装置を取り外してマンホールに入ったところ、気分が悪くなった。
 いったんは、自力で地上に出ようとしてはしごに登ったが、3~4分後に意識を失いマンホールの底に転落した。
 これを見ていた下請けの作業員が、マンホールの中に入って行ったが、相次いで倒れた。
 その後、他の作業員達によって3名とも救助されて救急車で病院に搬送され、硫化水素中毒と診断されたが、処置が施された結果、全員が一命をとりとめた。

原因

この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。 
1 マンホール内に高濃度の硫化水素が滞留していたこと
2 作業環境の測定点が不足し、また、換気が不十分であったこと
3 作業主任者の職務を十分に行っていなかったこと
4 空気呼吸器等の保護具を備え付けていなかったため、マンホール内の作業者および救助作業者が当該保護具を使用できなかったこと

対策

 この災害は、下水道管等の補修工事において、元請けの現場代理人が補修前の状況の写真撮影中に硫化水素を吸入してマンホール内で意識を失い、その救助にあたった下請けの作業員2名も硫化水素中毒となったものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。 
1 工事に先立って作業現場の危険有害性を調査し、それに基づいた工事計画を作成すること
2 し尿等による硫化水素中毒のおそれのある場所については、十分な換気等の措置を行うこと
3 作業主任者を選任し、その職務を励行させること
4 作業手順を定め、関係作業者に教育・訓練を通じて徹底すること
5 安全衛生教育等を実施すること

厚生労働省 職場のあんぜんサイト より

コメント

この災害は硫化水素によるものですが、マンホールに入る作業は酸素欠乏の可能性もある危険な作業です。対策の1にもありますが、危険有害性の調査と工事計画は安全の第一歩です。
硫化水素の測定は行っていたものの不十分だったようです。できれば常時測定することをお勧めします。作業中、ほかの配管から硫化水素が流れ込む可能性もあります。

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