この災害は、魚の新鮮加工排水等の浄化施設において、汚泥を投下するホッパーの汚れ落とし作業中に発生したものである。
災害発生当日、被災者は、汚泥を引き取りにきたトラック運転手と2名で、汚泥搬出室に設置されたホッパーからトラックに汚泥を投下し積載する作業に従事していた。
汚泥の投下が終了した後、被災者は独りでトラック荷台に昇ってホッパーに付着した汚泥をかき落とす作業を開始したところ、汚泥とともにホッパーから漏出したガスを吸入して意識を失いトラック荷台上に倒れた。
この時、室外で手待ち休息をとったトラック運転手が戻って来て発見し、事務所に連絡した。
駆け付けた事務長は、倒れていた被災者を救出するためトラック荷台に上ったが、被災者同様意識がもうろうとして床上に倒れた。
その後、両名は救急車で病院に運ばれて入院治療を受けたが、診断の結果は硫化水素中毒であった。