道路の修復工事のため陥没した穴に入り硫化水素中毒で2名死亡、1名休業

発生状況

 この災害は、陥没した道路の修復工事中に発生したものである。
 災害発生当日、陥没した道路の穴に入り、塩ビ管で修復工事をする作業に従事していた被災者が、意識を失い倒れ、その際に下水道枝管の破損部分を体で塞いだためか、穴に排水が溜まって溺死した。
 また、それを見た上司が、救助するために穴に入り同様に溺死した。
 さらに、近くの工事現場の監督員が救助の声を聞いて現場に行ったところ、陥没した穴に被災者の顔が半分見えたので救助しようとして穴に入ったが、同様に意識を失ってしまった。
 たまたま、工事現場の監督員が倒れるのを、近くの工場の工場長が2階の事務所から見ていて、職員らと現場に駆け付け、3名を救助し病院に救急車で移送したが、2名は死亡し、監督員は一過性呼吸障害で入院したが回復した。

原因

 この災害の原因としては、次のことが考えられる。
1 下水道のヒューム管が腐食されていたこと
2 陥没した穴に硫化水素ガスが充満していたこと
3 酸素及び硫化水素の濃度測定を行わずに穴の中に入ったこと
4  穴の中の換気を行わなかったこと
5 安全衛生教育及び救護訓練を実施していなかったこと

対策

 この災害は、陥没した道路の修復工事中に発生したものであるが、同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。 
1 事前調査を十分に行い作業計画を作成すること
2 酸素濃度などの測定を実施すること
3 作業場所の換気を行うこと
4 立入禁止区域の設定を行うこと
5 安全衛生教育及び救急に関する教育訓練を実施すること

厚生労働省 職場のあんぜんサイト より

コメント

 硫化水素ガスは空気より重たいため、ピット内などにたまりやすい傾向があります。換気の悪い場所で作業する際は換気を徹底してください。
 この災害でもそうですが、助けに行った人が2次被害にあう場合が多いのも有毒ガスの事故で多いのが特徴です。先ずは自分の身の安全を確保してください。人を助けるためには、自分が被害にあわないことが前提です。

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