循環型脱硫装置でできること

硫化水素を減らします

右は循環型脱硫装置を用いて試験を行った結果です。
密閉したボックスの中に循環型脱硫装置をいれたものと入れていないものの比較です。平均の硫化水素濃度は1/10。AgS(硫化銀)の進行速度は1/4 になった。という結果です。
試験内容について詳しくはこちら

この結果でもそうなのですが、「ゼロにはならない」場合が多いです。完全密閉かそれに近い環境ならゼロにできると思いますが、現場ではそのような環境あまりありません。(このテストのときは週2回扉を開閉していました)

実際の制御盤では入線部や扉の隙間などから多少の侵入がありますし、部屋の場合、サッシや扉、換気口などから入ります。人の出入りがある部屋では硫化水素濃度が上がっては下がりを繰り返します。

腐食速度を遅らせます

循環型脱硫装置の場合、測定結果にあるように腐食速度を遅らせます。

上の例だと、なしの場合129[nm/30day]をありだと30[nm/30day] になります。グラフにしてみるとこんな感じです。

この場合は、遅らせるだけなので浸食なくなるわけではありません。

設置したら機器が壊れた

実際にある話ですが、「設置したら機器が壊れた」という勘違いがあります。

仮にもともと1年で壊れている機器だと先ほどのグラフで、約1500[nm]の腐食で壊れることになります。(実際には硫化水素以外の要素も含まれるのでそんなに単純ではないですが、イメージとして捉えてください)

コルラインを設置してももともと腐食していたものが治るわけではありません。ですから330日経過後に設置する場合のイメージは、緑線のようになり、420日経過で壊れることになります。つまり、「設置後90日で壊れた。」になります。

いつのまにか「設置後」という言葉が消えて「もともと1年もったのに、90日で壊れた。」に変換されたりしてしまいます。例は90日ですがもっと極端な場合、「設置したら機器が壊れた」というイメージになってしまいます。

そう思われていることを知れば、説明しようとするのですが、「説明を聞いてもらえない」「説明がお客様まで届かない」などがありますし、勘違いされていることすら知らないで終わっている場合もありえます。

私たちはコルラインに悪い印象をもたれ、お客様は改善の機会を失う。とても 残念ですが、実際にあります。できるだけ、思いを聞かせていただければと思っています。

*実際には同じ腐食量で壊れるとは限りませんし、腐食は濃度のみに依存するものでありません。

硫化水素で困ったときはご連絡ください。