PK-miniC故障
弊社の循環型脱硫装置の故障例を紹介します。
制御盤用のPK-miniCで、納入後1年たたずに動かなくなった。ということで現場の確認と故障の起こった製品を確認しました。

現場の状態
現場は電気室と呼ばれる、盤を集めた部屋です。建物は古く、扉の密閉性の高くないので、隙間から硫化水素は入ってきそうです。部屋の外は多少臭いますが、部屋の中は硫化水素の臭いはなく、低濃度用の測定器でも未検出でした。また、部屋の中にはF80Lを置いていただいておりました。
現場に銅片を貼り付けてあり、その銅片は真っ黒な状態で検出はできないけどずっと硫化水素がない環境ではなさそうです。現場の方に聞くと一時的に濃度が上がるタイミングがあるみたいだそうです。

PK-miniCの状態
現場で導通確認すると、断線していました。デモ機と入れ替え、社に持ち帰りファンを新品と交換しました。
後日、内部を確認するとコイルの付け根部分が断線していました。黒い析出物を調べてもらうと「S:硫黄」が確認できました。
周辺の環境から考えて「硫化水素」が原因の断線だと思われます。

硫化水素除去装置が硫化水素で壊れるの?
硫化水素を取る装置が、硫化水素で壊れるの?とまず思うと思います。ですが、循環型の場合は起こります。次のグラフは10ppmくらいのガスが入った密閉BOX内でPK-miniCを動かしたときのグラフです。1ppmまで下がるのに5分ちょっとかかっています。まず、この5分間は硫化水素にさらされます。
このグラフはとても良い状態(密閉されている状態です)密閉できていないと、どんどん外から入ってきます。制御盤のファンが回っていると外部とほとんど変わらない濃度になります。以前に実験した時のグラフです。
密閉できていない環境に設置すると装置のファンは硫化水素にさらされ続けます。
循環型のファン風量とフィルターの大きさでは一度では硫化水素を取りきることはできません。
循環型はできるだけ密閉して使用してください。

